MT4でコピートレードをする場合にはMQL5からシグナルを定期購読する必要がありますが、そのシグナル成績の見方は少し難しい部分もありますので、シグナル成績の見方を詳細に解説します。
シグナル購読の参考にしてみてください。
Part1ではシグナル概要の画面上部および左側についての解説をしています。
Part2ではシグナル概要画面の画面下部についての解説をします。
FXエージェントでは、Anzo Capital(アンゾーキャピタル)での口座開設をおすすめしています。
以下の記事を参考にしてみてください。
それではMQL5のシグナル画面下部について、タブ別に解説していきます。

口座
「口座」タブではポジション、成長、残高、エクイティが示されています。
ポジション

ポジションでは現在オープンとなっているポジション(未決済ポジション)が表示されています。
ただしオープンポジションの詳細は定期購読者しか見ることができず、それ以外の方は未決済ポジション損益のみを確認することができます。
また、未決済ポジション損益は以下のように算出します。
未決済ポジション損益=エクイティ($ 10,790.37)-残高($12,623.25)
=$△1,832.88
画面上は未決済ポジション損益が△2,030.30となっている一方で、計算上は△1,832.88となっています。
この差は残高、エクイティもしくは画面上の未決済ポジションが最新の数値に更新されていないことにより生じております。
成長

成長の画面では、成長率のグラフを見ることができます。
成長率合計(21,033.91%)はシグナル配信が始まってから投資をしていたらどれくらい成長していたかを示しています。
年率ではなく、単純に(最初から投資していた場合の現在の価値 ー 最初の投資金額)÷(最初の投資金額)を示しています。
上記式の下線部は利益額を示しています。
シグナルに最初から10万円を投資していた場合には、10万円×21,034%(利益部分)+10万円(最初の投資金額)=2,113.4万円になっていたということです。
ただ、実際には入金や出金があるので最初に投資した10万円すべてを21,034%で運用できるわけではありません。
また月別のや年別の成長率も確認することも可能です。
2018年8月の成長率は155.54%となっておりますので、2018年8月1日に10万円を投資していたとしたら、10万円×155.54%(利益部分)+10万円(最初の投資金額)=25.554万円になっていたということになります。
年初来成長率および合計成長率は各月の成長率を掛け合わせた累計となっております。
月別成長率をもとに年初来成長率および合計成長率をエクセルで計算をしてみた結果、MQL5に記載の数値と一致しました。

成長率が大きいものを選ぶべきですが、もっと重要なことは安定して成長していることです。 このシグナルでは配信開始より成長率がマイナスとなった月がなくとても安定しているといえるでしょう。
残高

残高では残高の推移および入金・出金のタイミングを確認することができます。
青い線グラフが残高の推移で、残高は以下のように算出します。
残高=最初の入金額($100)+利益($11,639.35)+入金($8,600)-出金($7,716)
=$12,623.35
また赤く丸を付けた部分は入金・出金のタイミングを示しています。
赤矢印は出金を示しており、出金のタイミングで残高が大きく減少しています。
青矢印は入金を示しており、入金のタイミングで残高が大きく増加しています。
残高の推移はあまり重要ではありません。 なぜなら、入金が多ければ残高は増加し、出金が多ければ残高は減少しますが、入金・出金の残高の増減はシグナルの運用成績とは関係がないからです。 また、残高には未決済ポジションが含まれていない(次のエクイティで解説します)ため、負けポジションを保有している場合もありますので、残高はあくまでも参考程度に捉えてください。
エクイティ

エクイティでは残高およびエクイティの推移を確認することができます。
エクイティとは残高に未決済ポジション損益を加減したものになります。
そのため、残高の青グラフとエクイティの緑グラフの間は未決済のポジション損益を表しています。
勝ちポジションを決済すれば残高は増加するので、裁量トレードの割合が大きいシグナル配信者の中には運用成績をよく見せようと勝ちポジションばかりを決済し、負けポジションはいつまでたっても決済しない配信者もいます。 そうすると負けポジションばかりが残るので、残高とエクイティが乖離していきます。 このような塩漬けトレーダーのシグナルを定期購読することはおすすめしません。
ドローダウン

ドローダウンではドローダウンの推移を確認することができます。
ドローダウンとは、最大資産からの損失率のことですので、ドローダウン推移はある一時点での残高に対する損失率をグラフ化したものになります。
ドローダウン推移の見るポイントは、①過去においてどれくらいのドローダウンが発生しているかと②ドローダウンが発生したタイミングです。
①過去においてどれくらいのドローダウンが発生しているか
ドローダウンは低ければ低いほど望ましいといえますが、必ず大きなドローダウンは発生するものです。
ただし、極端に大きいドローダウンは運用資産を大幅に目減りさせ、市場からの撤退を余儀なくされることもあります。
例えば、毎月3万円ずつ2年間投資していたとしましょう。
比較的小さい8%のドローダウンが2年間で5回きた場合には、最終利益が556,009円(1,276,009円ー720,000円)となります。

一方、比較的大きな40%のドローダウンが2年間で1回だけきた場合には、最終利益が404,918円(1,124,918円ー720,000円)となり、比較的少額のドローダウンが複数回きた場合よりも最終利益は小さくなってしまします。
そのため、ドローダウンは最大でも30%前後のものを選ぶことをおすすめします。

②ドローダウンが発生したタイミング
ドローダウンは投資期間の初期に発生するよりも、投資期間の後期に発生するほうがより最終利益にインパクトを与えます。
例えば比較的少額の8%のドローダウンが後期に発生するケースでは、最終利益が415,632円(1,135,632円ー720,000円)となりドローダウンが投資期間に平均して発生するケースよりも最終利益が小さくなります。

そうは言ってもいつドローダウンが発生するかはわからないため、ドローダウンが前期に発生するものを選ぶことはできませんね。
そのため、ドローダウンが投資期間に平均して発生しているものを選ぶとよいでしょう。
今回サンプルで取り上げたシグナルでは、ドローダウンが集中して発生しており、投資期間に平均して発生していませんので、投資適格とは言えないでしょう。


Lalmch / Pixabay
画面下部に示されているグラフ等のうち「口座」タブを今回解説しました。
ほかのタブにつきましては、別の記事で解説いたします。
