前回の記事では、自動売買を行うにはMT4の一択であること、MT4の概略やMT4でできることを解説いたしましたが、今回はそのMT4をトレードプラットフォームとして採用するFX業者の紹介とその中から最適なFX業者をご提案します。

MT4を採用するFX業者
国内FX業者のほとんどは独自の取引プラットフォームを提供しており、MT4を採用している会社が少ないため、MT4で売買したい場合は海外FX業者を利用する必要があります。
MT4を採用するFX業者一覧
ここでMT4を採用するFX業者を見てみましょう。
検討の対象は国内で登録しているOANDA Japan、日本人に人気のXM Trading、新興海外FX業者だが完全信託保全を採用しているAnzo Capitalの3社だ。
Anzo Capital (RAW口座) |
XM Trading (ゼロ口座) |
OANDA Japan (MT4 ベーシックコース) |
|
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採用するプラットフォーム | MT4 | MT4/MT5 | MT4 |
ライセンス | ベリーズ | キプロス | 日本 |
①:USD/JPYスプレッド | 0.4pips | 0.1pips | 0.4pips |
②:取引手数料 | 0.72pips | 1.0pips | 無料 |
①+②:取引コスト | 1.12pips | 1.1pips | 0.4pips |
信託保全の有無 | 完全信託保全 | 分別管理 | 完全信託保全 |
ゼロカットシステム | あり | あり | なし |
DD方式/NDD方式 | NDD方式 | NDD方式 | NDD方式 |
STP取引/ECN取引 | RAW口座はECN取引 スタンダード口座はSTP取引 |
Zero口座はECN取引 スタンダード口座はSTP取引 |
STP取引 |
口座開設リンク | 【Anzo Capital】 | ※1 | 【OANDA Japan】 |
自動売買(システムトレード)を行う上で重要なポイントがいくつかあるので解説します。

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裁量トレードよりもシステムトレードをおすすめする理由
トレードを行う上で最も重要なことは何か?
トレードを行う上で最も重要なことは、“最初に決めたEntryとExitのタイミングを守り続けること”です!
最初に自分で決めたルールに則り、その通りにトレードすれば、よほどルールが悪くない限り負けることはないでしょう。
特に株式市場は通常買いからしかポジションを持つことができませんが、ここ数年のINDEXがずっと上がり続けているような相場でさえ撤退する人が多くいます。
その最大の理由は、メンタル面で市場に呑まれてしまうからです。
いま買いポジションを持っていて相場が急落した状況で、多くの人は含み損に耐えられずポジションを解消してしまいます。
「もっと落ちて、損失が膨らんでしまうのではないか。。」
そのような弱い気持ちが芽生えてしまうのです。人間はプラス10万円の喜びより、マイナス10万円のショックのほうが遥かに大きいからです。これはプロスペクト理論と呼ばれています。

そのポジションを解消するという判断が最初に決めたルール通りであれば問題ないのですが、人間はそんなに強くありません。
そのような状況でルール通りにトレードをできるようなメンタルが強い人間は本当に一握りです。
そのため当初設定した条件に沿って機械的にトレードを行ってくれるシステムトレードが優れているといえるでしょう。
システムトレードが持つデメリット
システムトレードは前述したように、当初設定した条件に沿って機械的にコンピュータがトレードを行います。
システムトレードを行う上では、“過去に起こったことは将来も起こり続ける”との前提のもと、利益を最大化するようにシステムを構築しますが、相場が当初想定していない動きを見せた場合には対応できません。
そのため、相場が過去とは違う動きを見せたときに思わぬ損失を被る恐れがあります。
そのため、システムトレードを行う業者選びの際にはゼロカットシステムを採用している会社を選ぶことが最重要といえるでしょう。
ゼロカットシステム
急な相場変動により、強制ロスカットが間に合わず口座残高がマイナスになってしまった場合、マイナス分はFX業者が補填する制度。
つまり、ゼロカットシステムの場合、入金額以上にマイナスが発生した場合でも、追加での入金(追証)をする必要がありません。
ゼロカットシステムは顧客にとってもの凄いメリットがある制度なのですが、国内FX業者はFX業者が顧客の損失を補填することを法律で禁止されているためゼロカットシステムを採用しているところはありません。
そのため、ゼロカットシステムを採用する会社での取引となると海外FX業者を使うことになります。

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国内FX業者 VS 海外FX業者
国内FX業者と海外FX業者はどちらがトレーダーにとってメリットがあるのでしょうか。
トレーダーに関する観点からまとめてみました。
国内FX業者 | 海外FX業者 | |
---|---|---|
スプレッド | 比較的狭い | 普通~広い |
レバレッジ | 日本の法律により最大25倍 | 比較的大きい。 XM Tradingでは888倍。 Anzo Capitalでは500倍。 |
ゼロカットシステム | 日本の法律により不可 | 採用 |
信託保全 | 日本の法律により必須 | さまざま。 Anzo Capitalでは信託保全。 |
所得税 | 一律20%。 3年間の損益通算あり。 |
雑所得で累進課税。 (給与所得の高い人には不利、低い人には有利) 複数年の損益通算なし。 |
このように比較してみると、トレードスタイルによって使い分けることがベストだと思います。
月に数回~20回程度の取引頻度のデイトレードやスイングトレードを行う場合には、取引コストはあまり問題となりませんが、相場が急落した場合に追証が発生することがないように、ゼロカットシステムを採用する海外FX業者を利用することがおすすめです。
一方、一日に何度も取引を重ねて利ザヤを稼ぐタイプのスキャルピングを行う場合にはスプレッドの狭い国内FX業者がおすすめといえます。
その場合には、相場が急変動し、追証を求められる危険性があることを念頭に置きながら取引することが求められます。
そのような借金を背負う可能性をゼロにしたい場合には、国内FX業者よりも多少スプレッドが広かったとしてもゼロカットシステムを採用する海外FX業者を利用することが精神的にもいいでしょう。
スプレッド幅は将来損失を被った際の保険(CDS:クレジット・デフォルト・スワップのプロテクション買い)と見ることもできますね。