トレンドをブレークしたのに再びチャネル内に戻ってきてしまう(プルバック)など、実際のトレードにおいてはそのブレークが本物かどうかを見極める必要があります

ここではそのブレークが本物かを見極めるポイントについて記載します。

  1. ブレークする直前でトレンド転換するほどのビッグニュースが出た場合
  2. 出来高を伴いながらブレークした場合
  3. トレンドラインで何度も跳ね返されている場合
  4. ローソク足が長いチャートを確認しても、ブレークしている場合

1.ブレークする直前でトレンド転換するほどのイベントが出た場合

これはイメージしやすいと思いますが、為替というのは国際間取引で利用されているため、その通貨の需給関係やその通貨を発行する国に影響を及ぼすイベントがあった場合などは為替に影響を与えます

例えば、「中国が戦争を始めた」というニュースがもし出たら、「中国元を持っていたら紙くずになるかもしれない」との不安から、中国元を他通貨に交換する動きが進み、大きく中国元安方向に為替は動いていくでしょう。

また、「FRBが今後段階的な値上げを進める」との発表が出たら、「ドルで持っていれば高い金利が受け取れる」との期待からドルの需要が増え、ドル高方向に進んでいくでしょう。

一方、米国の雇用統計が発表され、市場の予想値よりも悪化していれば、米国経済への不安からドル安方向に動いていくでしょう。

このようにファンダメンタルな状況がチャートに影響を与えるため、トレンドラインブレーク直前の発表が大きいものであり、そのブレーク方向がイベントの材料の良し悪しと同じ方向であれば、そのブレークは本物である可能性が高いでしょう。

2.出来高を伴いながらブレークした場合

為替レートは市場参加者による需給関係によってレートが決定されます。
市場参加者が多い時には少数の意見に左右されることはないが、市場参加者が少ない時には少数の意見に左右されることもある。

つまり出来高を伴いながらのブレークは、多くの市場参加者によって決定されたトレンド転換であるから、そのトレンド転換は真実である可能性が高いといえます

一方、出来高が少ないままブレークをした場合には、ある少数の投資家によって決められたトレンド転換であるため、そのトレンドを維持することは難しく、またトレンドに引き戻される可能性は高くなります。

また取引量を確認するポイントですが、ブレークポイントまで一定期間の取引量を確認しましょう。
ブレークの発生が少数の投資家によるものでないことを確認するために、ブレークポイント直前のある一定期間を確認することがポイントです。

騙しのパターンを確認

次に騙しのパターンを確認してみましょう。
こちらは持ち合い相場のレジスタンスラインを上にブレークしたケースですが、ブレークポイントまでのある一定期間の取引量を確認してみても、特段多い取引量とは言えません。

こういったケースでは少数の投資家によってブレークされたケースであり、市場の大半の参加者がそのトレンド転換に同意するかはわからないため、元のトレンドに戻ってきてしまう可能性が高くなります

このように、ブレークするまでの取引量の多寡を確認することによって、ブレークが真実か騙しかを確認することが大切です。

3.トレンドラインで何度も跳ね返されている場合

サポートラインやレジスタンスラインで何度も跳ね返されているということは、何度もトレンド転換にトライしているということです。
トライしている回数が多いほど、トレンド転換を望む市場参加者が多いとのことですので、このようなケースでトレンド転換をした場合にはそれは本物である可能性が高いといえます。

また、下の図のように三角持ち合い(下降型トライアングル)によってブレークした場合にも、そのブレークは本物である可能性が高いです。
ただし、この場合の三角持ち合いというのは、上昇型トライアングル下降型トライアングルに限られ、他の三角持ち合いはまた元の相場に戻ることも多いです。三角持ち合いについては、後日記事をアップする予定です。

4.ローソク足が長いチャートを確認しても、ブレークしている場合

ローソク足の時間が短いチャートほどトレンド転換のスパンが短く、トレンドは変わりやすい性質を持っています。
一方で、ローソク足の時間が長いチャートほどトレンドは強く、長く続く性質があります。

そのため、5分足でブレークしたとしてもそれは騙しである可能性も高いため、もっと長いローソク足で確認し、そのブレークが本物であるかを確認することが真のブレークであるかを見極めるポイントになります。

以下のチャートは5分足で見たチャートですが、矢印の部分でブレークしております。
このブレークが本物であるかを見極めるために、もっとローソク足の長いチャートを確認してみましょう。

以下は30分足のチャートですが、30足で見てもサポートラインをブレークしており、このブレークが本物である可能性が高いことが確認できます。

最後に1時間足で確認してみましょう。

1時間足では持ち合い相場を形成していたことが確認できます。
そのため、この持ち合い相場のサポートラインをブレークした瞬間が強い下降トレンドへの転換点と見ることができます。

このケースでは持ち合い相場のサポートラインをブレークしており、また以前の高値もブレークしておりますので、トレンドは転換したとみてよいでしょう。

このようにトレンドというのは短期トレンドほど変わりやすく、長期トレンドほど変わりにくいので、短期トレンドでブレークしたからと言ってすぐにトレンドの転換と見るのは時期尚早でしょう。
必ず長期トレンドも確認したうえで判断することが、騙しを喰らう可能性を低くしてくれます。

ブレークした後の特徴

ブレークした時の特徴としては、次のようなものがあります。

サポートラインをブレークするとそのサポートラインがレジスタンスラインとして機能し、また反対にレジスタンスラインをブレークすると、そのレジスタンスラインがサポートラインとして機能することがあります。

通常トレンドラインをブレークするとその後以前と反対の方向に進んでいきますが、また元のトレンドに戻ってきてしまうことがあります。
このようなブレークの騙しをプルバックというが、プルバックが発生した場合でも、以前のレジスタンスライン(サポートライン)がサポートライン(レジスタンスライン)として機能すれば、トレンドは転換したとみて間違いないでしょう。

以上、トレンド転換を見極めるポイントを記述しましたが、その見極めは難しいため、実践を積んで感覚的に掴めるよう精進しましょう。

最後に

FXエージェントでは、長期的に安定した利益を上げるための投資手法として、MT4を利用したシステムトレードを推奨しております。

システムトレードに興味はあるものの踏み出せていない方向けに、システムトレードのやり方について解説した記事を投稿しております。

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